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水にぬれても大丈夫な紙、耐水紙

水にぬれても大丈夫 耐水紙

皆さんは急に雨が降ってきてカバンの中に入っている教科書が濡れてしまったことはないですか。

私は高校の地理の資料集が5月ぐらいに濡れてしまい一気に勉強のやる気がなくなった経験があります。

ここで私は教科書の乾かし方について調べて「冷蔵庫に入れておくといい」という結果に至りました。

その過程で耐水紙のことについて知り、「この世のすべての紙が耐水氏になればいいのに」と思いました。

今回はその耐水紙について詳しく見ていきます。

なぜ紙は水に濡れるとダメなのか

紙の原料は木であることは有名です。つまり紙は植物などの繊維からできているのです。

紙が水で濡れてしまうと繊維同士の間に水分子が入ってきます。そうすることによって繊維同士の結びつきが弱まり、紙がふやけることや破れるということが起こります。

耐水紙とは

文字の通り「水に耐える紙」のことを言います。

Oxford Languagesの辞書では

紙にメラミン樹脂・尿素樹脂などで加工を施し、水に濡れてもすぐに強度が落ちないようにした紙。

と説明されています。

つまり「水をはじく」「耐久性がある」紙のことを言います。

例を挙げると「お風呂のポスター」「選挙ポスター」「商品ラベル」などがあるようです。

ちなみに私は「お風呂で覚える英単語」という水に濡れても大丈夫な単語帳を持っていました。(私はお風呂では勉強できませんでした)

耐水紙の仕組み

想像できるかもしれませんが普通の紙よりは分厚くなります。

つまり普通の紙の上に保護シートをつけている感じです。

大まかにはこのようなものですがそこからは耐水紙を作っている企業独自の方法があるらしいです。

ここでは、共通点を解説します。

まず、基礎の紙がある。その両面に撥水性のある高分子の層をかぶせることにより耐水性がある紙ができます。

耐水紙は最低でも3層構造になるので普通の紙よりも分厚くなります。

さらにフィルムが丈夫なため破れにくく耐久力の高い紙になります。

実際にお風呂にある紙を破ろうとすると普通の紙のように破れるというよりは伸びるという感じだと思います。ペットボトルのラベルを破ろうとしたときに伸びるのと同じ感じです。

なぜすべての紙が耐水紙にならないのか

これは私の勝手な想像を書いていきます。

生産コストが高い

これは大きな問題であると思われます。

正直、紙が水に濡れるという機会はあまりなくそのような起こるか分からないことのために耐水紙は使用できないのではないでしょうか。

メルカリなどで見ていても普通の紙とは比べ物にならないくらい高いです。

印刷のやりにくさからしてもすべての紙を耐水紙にするのは困難のように思います。

環境に悪いかも

Oxford Languagesの定義によるとメラミン樹脂・尿素樹脂を使用しているようです。

メラミン樹脂・尿素樹脂は高校の有機化学の範囲で学習しますが熱硬化性樹脂です。

熱硬化性樹脂とは熱すると固くなる樹脂のことです。反対に熱すると柔らかくなる樹脂を熱可塑性樹脂といいます。

メラミン樹脂・尿素樹脂は高分子が三次元網目状構造で結合しているので熱硬化性樹脂になっているのです。

熱硬化性高分子は過熱し硬化してしまうとリサイクルすることができません。

このリサイクルが困難ということも耐水紙が普及しにくい原因だと思います。

さらにメラミン樹脂・尿素樹脂は名前の通りメラミンや尿素が含まれています。

分子式を見ればわかりますがこれらには窒素Nが多量に入っています。

これを燃やすとノックスという酸性雨の原因になる物質を排出してしまう可能性があります。

つまりリサイクルも困難、燃やしたとしても硬化する、酸性雨の原因物質が発生する可能性がある、という大量生産には向いていない物質です。

 

また最近に時代の流れとして紙ではなくインターネットで見るなどの電子化が進んでいるので耐水紙が普通の紙にとって代わるようなことは今後もないでしょう。